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- 2016.09.10 Saturday
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札幌市・北円山の閑静な住宅街の、ビル地下にひっそりと暖簾(のれん)を掲げる和食店。
店主の川原恭弘さん(37)は道北の豊富町で生まれ育ち、調理の専門学校を卒業後、19歳から和食の道へ。すすきのの和食店などで腕を磨いた後、29歳の若さで独立した。北24条で人気店「海鮮居酒屋 北海」を営んでいたが、現在の店舗にたまたま縁があって2012年、店名も新たに移転オープンした。
その店、「季節処(きせつどころ) 川原」のメニューの主軸は、旬の魚介類や野菜を使った「本日のおすすめ」だ。品書きの組み立ては“素材ありき”なので、毎日の仕入れは真剣勝負。なかでも、メインの魚介類は、修業時代から付き合いがあるという「すすきの市場」の鮮魚店へ足繁(しげ)く通い、目の前の素材と向き合いながら、アイデアを膨らませてゆく。
川原さんの料理は、素材の持ち味をシンプルに楽しめる“引き算”の調理法が基本スタイルだという。例えば、この日の「おすすめ」に登場した「金目鯛(きんめだい)の煮つけ」は、醤油(しょうゆ)と砂糖、日本酒のみの煮汁でサッと炊き上げる。朱色の皮目に照りのある煮汁をまとい、一見、濃厚そうだが、箸を入れると、中の身は真っ白で、食感は驚くほどふっくら。金目鯛からにじむ上品な脂と、こっくり甘辛い煮汁が口の中で見事に調和する。
天ぷらは、食材によって衣の配合や厚みを微妙に変え、徹底的に油を切ることで、外はサクッ、中はほっこりの仕上がりに。ヒラメの刺し身は、「歯応えの違い」を楽しんでもらおうと、ひと切れで胴とエンガワを同時に味わえるようにさばく。料理の細部まで心を砕いている。
「修業時代から見守ってくださる長年のお客さんに、今も育てていただいています」と川原さん。そんなご贔屓(ひいき)から「何か旨(うま)いもん食べさせてよ」と一任される時はプレッシャーを感じるが、その分、励みにもなる。「『今日もおいしかったわ』と満足していただけた日は、テンションが上がりますね」
日本酒党の川原さんが取りそろえる地酒も、磯自慢や鶴齢、秋鹿など、なかなか通好みのラインアップ。
初めて訪れるなら、まずは先付、お造り、八寸、天ぷらと全12品を少しずつ味わえる「おつまみコース」(予約不要、2160円)を試してほしい。心憎い品ぞろえの地酒とともに味わえば、再び暖簾をくぐりたくなるはずだ。(文・葛西麻衣子 写真・藤倉孝幸)
【住 所】 札幌市中央区北3西26 N2ビル地下1階 (電)011・614・8588
【営業時間】 午後5時〜午前0時(ラストオーダー午後11時30分)。日祝定休
【主なメニュー】 (日替わりメニューの一例)カニしんじょう702円、金目鯛の煮つけ1296円、お造り盛り合せ(三点盛り)1512円、穴子の白焼756円、春野菜の天ぷら盛り合せ918円など
※メニュー、価格などは変更されている場合があります。
本物そっくりな鋳物の魚のオブジェ16体が並ぶ「おさかなロード」(境港市)を紹介するマップ5000部を、地元の商店主らでつくる「元気みなと商店街」が作った。4月から、JR境港駅近くの観光案内所などで配布する。
二つ折りで、A4判ほどの大きさ。特産のクロマグロの形にした。
見開くと中央に地図があり、オブジェのイラストを配置。沿道の食堂やカフェ、居酒屋、喫茶店などの飲食店、陶器店なども写真入りで紹介している。
同商店街は「魚のまちを盛り上げるロードに来てもらい、この地図を手に楽しんで」とPRしている。
◇岡山市埋文センター 原寸大模型を展示
国史跡・造山(つくりやま)古墳群(岡山市北区)に属する千足(せんぞく)古墳(5世紀前半)の第1石室の原寸大模型が、岡山市中区の市埋蔵文化財センターで展示されている。
ドーム状の石室を半分に切断した場合の状態を、京都市の模型製作会社が強化プラスチックで再現。高さ約2.8メートル、幅約3.2メートル、奥行き約2.1メートルで、ベンガラとみられる赤い顔料が塗られた壁も、アクリル絵の具で忠実に仕上げた。
石室内を仕切っていた石「石障」のレプリカも展示。渦巻き模様や直線を組み合わせ、被葬者を守り、慰める意味があるとされる文様「直弧紋」も確認できるようになっている。
同センターは「実際に入ることができない石室の大きさを、この模型で体感してほしい」とする。
入館無料。午前9〜午後4時半。日曜、祝日休館。問い合わせは同センター(086・270・5066)。